花街と関わる方法には色々あります。一番簡単なのが、お客として関わる場合ではないでしょうか。その場合、花街との接点がお茶屋(おちゃや)になります。
タイトルでは「お茶屋へGO!」などと気安く書いていますが、そんなに簡単に行ける訳ではありません。
そこには、一見さんお断りという、大きな壁が立ちはだかっているからです。
一見さんお断りのシステムで疑問に感じている人が多いと思います。「誰だって最初は一見のはず。それでは、今のお客はどうやって入れたの?」という疑問です。
実は、一見でも馴染みのお客と同伴ならば入れてもらえるのです。その代り、一見の人がそこで起こす不具合は、その責任の全てを同伴した馴染み客が負わなければなりません。
そうやって何度か通ううちに、「この人なら店を大事にしてくれる」と女将に認めてもらって、はじめて一人で通える様になるのです。
このお茶屋という場所は不思議なところです。通常の商取引ではお金を払う人が偉いものですが、ここで一番偉いのはお客ではなく女将です。
女将が威張ってるという意味ではありません。女将は常にお客が心地よく過ごせる様、気を配ってくれています。
ですから、お客が道を踏み外しそうになると、「○○するのは止めなさい。あなたには似合いませんよ」と注意を促してくれるのです。
お客の方も、女将が自分の事を気遣ってくれている事を十分知っていますから、「ん、そしたら止めとく」と素直に従います。
まるで、親が子供を叱る様ですね。これは、女将とお客との間に、商売以上の信頼関係が築かれているからこそできる事です。
その信頼関係がある以上、女将はお客を身内と思って接しているのではないでしょうか。だからこそ、お客はそこを居心地良く感じるのです。