お茶屋に通いはじめて、いきなりお座敷へあがるのは窮屈なものです。
第一、花街の知識や仕組みを熟知せずに遊んでも、何が面白いのかすらわからないと思います。
まずは、ホームバーに腰掛けて、観察するところからはじめたいものです。
大抵のお茶屋は、お座敷の他に、気軽に飲めるホームバーを持っています。
形式は様々ですが、カウンター席とボックス席で構成されているところがほとんどでしょう。中には掘り炬燵形式のカウンター席というところもある様です。
ホームバーには芸・舞妓を呼ぶ事もできますが、基本的にお喋りするだけで、舞などの鑑賞はできません。勿論、芸・舞妓を呼ばずに酒を舐めるだけでもOKです。
新参者はすすめられる席へ控えめに腰掛けて、女将との会話の中から、少しづつ祇園を学んでいきましょう。質問すれば、大抵の事は教えてくれますし、時間が経つにつれて聞きにくくなる事も多くなりますから、最初が肝心です。
中には答えにはばかる様な内容もあるでしょうから、まわりに悟られない様に、こっそりと聞くのがポイントです。
お茶屋では見栄をはらずに、切実にまわりと接していれば、後になって後悔することもありません。
祇園には信じられないくらいのお金持ちがゴロゴロ転がっています。その環境の中で自分が一番貧乏だと思うくらいが丁度良いのです。