不便なクルマでしか官能できない私が所有する、不便なクルマの横綱がAZ−1なら、大関はビートでしょうか。
ビートは、AZ−1よりかなり快適です。
乗り降りも、随分、楽ですし、窓も全部開きますから、ドライブスルーへも入れます。
エンジンに力はありませんが、回せば、結構、軽快に走ります。
もちろんエンジンを回せば煩くて助手席の人と話すのに苦労しますが、人を乗せて走るのであればメルセデスを使いますし、その方が喜ばれます。
トランクスペースは皆無ですが、本来、こういうクルマは一人で乗って楽しむ物ですから、助手席が荷物スペースです。幌を開ければ、無限大に積む事ができます(走れるかどうかは不明)。
ここまで書くと、「何処が不満なの?」とか問われそうですが、決定的に気に入らない部分が2つあるのです。
それは、「エアコン」と「雨漏り」です。
「前回のウンチクで、ビートのベンチレーションを絶賛しておきながら、気に入らないはないだろう!」
と、一斉にツッコミが入った所で、理由を書いてみます。
確かに、ビートのベンチレーションは最高なのです。気に入らないのは「エアコン」です。
他のHPで、ビートのエアコントラブルを聞かれた方は多いと思います。ビートのエアコンはプアなんですね。
いえ、プアというのは、冷却能力の事ではなくて、耐久性の話です。
とあるHPで、こういう記事を拝見した事があります。
「エアコンのコンプレッサーが動作している時は、4500回転以上回してはいけない……」
4500回転は定かではありませんが、これは事実で、コンプレッサーを回したまま高回転運転を続けると、確実に息の根が止まります。
お分かりでしょうか? ビートのエンジンは高回転を維持しないと軽快に走らないんです。最低でも4000回転以上は回さないと楽しくありません。
そこで、ジレンマに陥るわけです。
「あぁ、もう少し回したい…… でも、コンプレッサーが心配……」
てな具合に、胃をキリキリさせながら走るわけです。私はこの辛抱を要する運転が(良い意味で)たまりませんね……
あと、「雨漏り」にも困ったものです。
少々の雨なら、漏る事は無いのですが、長時間、雨にぬれた場合や、激しい雨に見舞われた場合、シートの座面がずぶ濡れになります。普通のクルマでは考えられない話ですね。
私は、ビートにビニールのごみ袋を携帯しています。雨が漏ってシートが濡れたら、ビニールを座面に敷いて運転しています。
こんな具合ですから、出先で雨が降りはじめると、小心者の私はドキドキしてしまいます。
「こんな苦労をしてまでビートを所有する必要があるのだろうか?」等と、考えてしまう事もあるのですが、「ビート」は、私の人生で一番辛い時期を支えてくれたクルマでもあり、相当の思い入れもあるんですね。
ま、私もそれなりに歳をとって、こういう「不便さ」が「遊び心」として理解できる様になったという事でしょうか……(ちがう! 只単に、何も考えてない阿呆なだけだ!(一斉にツッコミ))
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