Owner's words

ビート購入のススメ

 

 

 
 
E−mailで頂くお問い合わせの一つに、ビートを購入する際の注意事項についてが多くあります。 

今回のウンチクでは、ビートの中古車購入で注意すべき点を述べてみます。勿論これらは、私個人の所見であって、事実と異なる場合があるかもしれませんので、あくまでも参考という事でお願いします。 
ここでは、中古車を購入する際の一般的な内容(事故車の見分け方等)ではなく、ビートという車に限って注意する事を上げてみます。 
 


 
ビートはマイナーカーとはいえ、比較的、多く生産されている為、タマも豊富です。ですから、色も好みのものを選択できやすい様です。 

色を決めてビートを探している場合がほとんどだとは思いますが、もし、色を問わないのであれば、ソリッド・カラーをおすすめします。 
理由は、ビートのメタリック・カラーはソリッドに比べて質が悪く、錆びやすい印象をおぼえるからです。 

事実、私のビートはシルバーメタリックですが、同年式のソリッドカラーの車と比較して錆が多い様です。ドアの下のパネルの継ぎ目や、ドアやエンジンフードの裏側の縁の部分等が特に錆びやすい所です。 
車体の錆具合の確認方法ですが、センターコンソールについた灰皿を外して、中を覗いてみれば良く分かります。ここが錆びているようであれば、かなり錆が進行していると考えた方が良いでしょう。 

錆具合は、前のオーナーがビートをどの様に保管してきたかで大きく違ってきます。購入する際には、前オーナーの保管方法など分からない場合がほとんどでしょうが、エンジンフード内の錆具合を見ると想像がつきます。 
ビートのエンジンフードには穴があいています。その穴からエンジンルーム内に水が浸入する為、雨上がりにフードを開けると、細部に水が溜まっていたりします。 
そんな造りですから、ここに錆があるようであれば、青空駐車で保管されていた確率がかなり高いと思われます。 
 


 
どの車もそうですが、「生産直後の車は買わない方が良い」という鉄則があります。ビートもご多分にもれずこの鉄則が当てはまります。生産直後とそれ以降では、細部のパーツが異なる様です。 

多く聞かれるのは、幌カバーを止めるフックです。生産直後の部品では、端のフックはピンで留めるタイプでしたが、ピンが折れるトラブルが続出した為、改善された様です。私のビートは対策前のフックで、もちろんピンは折れたままです。ですから、これまでに幌カバーをつけた事がありません(つけれません)。 

あと、サイドウィンドウの立付けが悪いものが多い様です。私のビートの運転席側のウィンドウは、かなり造りが悪くドアの中に雨が入ってしまうぐらいです。冬場はそれが凍って窓が開かなくなってしまいます。 
少し窓を開けて、ウィンドウを揺すってみて、ガタついている様であれば、修理をお願いしましょう。 
 


 
エンジン系で多く聞かれるトラブルは、ディストリビューターの固着による、タイミングベルトの破損です。これが発生すれば重大な問題で、修理にいくらかかるかわかりません。 

これはリコールにならなかった為、多くのビートが抱える問題なのですが、それを聞きつけたオーナーからのクレームで対策されたビートもある様です。 
あくまでウワサですが、高回転を常用する様な使い方をすると、デスビのベアリングが焼付いて回らなくなるのだそうです。 

あと、希に聞くトラブルが、エアコン・コンプレッサーのクラッチトラブルです。 
エアコンが無ければ、雨の日はウィンドウが曇って運転できませんので、必ずチェックが必要です。 
これも、エンジンを高回転で回してエアコンを使う様な使い方をされたビートに多いトラブルの様です。 

前オーナーが、どの様な使い方をしてきたかは、ビートにされた改造で想像がつきます。走り屋っぽい改造がされた形跡があれば、高回転でエンジンを回す使い方をされた可能性が高くなります。 
不幸な場合、デスビが固着してエンジンが止まったり、エアコンが効かなくなる日は近いかもしれません。 
 


 
最後に、オープンカー宿命の雨漏りですが、ゴムモールがよほど傷んでいない限り、その心配はないでしょう。 

私のビートは、定期的に(半年に1回)ゴム部分にアーマーオールを塗布しています。 そのせいか、平成3年式で、青空駐車も多いのですが、これといった雨漏りはありません。 
キャンバス部分は意外に丈夫で、よほど深い切傷が無い限り雨漏りの心配はありません。 
しかし実際に、雨の日にも車を見ておいた方が安心です(短時間ホースで水をかけたくらいで雨漏りする様なビートは論外)。 

チェックのポイントは、数時間以上、雨ざらしの状態にして実施する事で、特に車を動かした直後(ハンドルをいっぱいに切ってバックする)やブレーキを踏んだ時(少々下品に踏む)の雨漏りがないかの確認でOKなら大丈夫でしょう。 

それよりも深刻なのがリアウィンドウの傷です。時間の経過と共に擦傷で視界は悪くなりますので、購入時良くても仕方ありません。むしろ、購入時ボロボロの物を新品に交換して納車してもらう方が良いでしょう(2万5千円程度のパーツだったと思います)。 

要約すると、なるべく年式の新しい(少なくともH6年以降)ソリッド・カラーのド・ノーマル車で、エンジンフードの裏と灰皿の下のフレームに錆の無いもの。 
できれば、購入時にサービスでリアウィンドウを交換してもらう。 
又、デスビとコンプレッサークラッチは納車前の整備(又は交換)を依頼する。 
と、なります。 

どうしても、旧年式しか見つからない場合は、幌をとめるフックを(勿論、幌カバーの方も)対策部品に交換してもらう事と、サイドウィンドウの立付けは入念なチェックが必要です。 

とりとめも無く無節操に書いてきましたが、参考にしてください。 
 


 
 
 
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