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アバタもエクボ(AZ−1編)

 

 

 
 
「痘痕も笑窪」なんてよく言います。意味の説明は今更する必要もないでしょう。

何でこんな事を言うのか? というと、私に頂くメールの中に、「Katsu さんって本当はAZ−1が嫌いなんじゃないですか?」という問いかけが少なからずあるからです。

確かに、HPの文中では「メルセデス第一主義者」の印象を持たれがちな内容が多い様です。
客観的に車としての性能を見ると、どうしても、そうなりがちです。

「生活必需品」としての車の価値観の一つに「快適に移動する」というファクターがあって、(おそらく)それが最も重要な事の一つだと感じるからです。

その価値観でAZ−1を計ると、モノサシの目盛にはマイナス部分が必要になってきます。
しかし、「生活必需品」の対極には「嗜好品」としての価値観があります。
AZ−1は「嗜好品」としての価値観の目盛がついたモノサシで計らないといけない車です。

嗜好品として車を愛好する人が少ないのは事実です。巷を走る車を見ても判ります。快適に移動できる車ばかりが走っています(勿論、愛好したいけど、諸所の理由により、それができない人も多くおられるのだとは思います)。

では、嗜好品として車を愛好する人が、快適さを損なってまで手に入れたい物とは何でしょう?
「格好」だったり「速さ」だったり、これは人それぞれですが、私の場合は「不便さ」です。
AZ−1は国産車の中でも1・2を争う程「不便」な車です。
AZ−1にかかわる動作の全てに普通以上の努力がいります。

例えば、ガルウィング・ドア、閉める時の苦労は尋常な物ではありません。
乗り込む時には窮屈なポーズを強いられます。

ハンドルはクソ重いです。
強化クラッチもクソ重いです。
ギアはフニャフニャで、たまに抜けなくなります。
効きすぎてスコーンと抜けるブレーキは危険です。
ミッドシップのクセにコーナリングは大の苦手です。
ガラス面積が大きいキャビンの空調は最低で、真冬でもエアコンをつけたくなります。

小マシに動かそうとすると、かなりの努力が必要な訳です。思い通りに動かす為には、どう操作したら良いかを思考錯誤する毎日です。

例えるなら、AZ−1は「ものすごく性格の悪い馬」です。気まぐれに挙動し、乗り手を振り落とそうとします。
そんな馬に鞭を入れねじ伏せて服従させる事に「快感」を覚えてしまう私は「サディスト」なのかもしれません。

つまり、私は、不便な車でしか官能できない変態オヤジですね。
でも、変態オヤジは巷に結構いるものです。このページをご覧になっている貴方…… ひょっとして、立派な変態オヤジかもしれません。

やはり、「変態」ですから、普通では考えられないとんでもない物に惹かれてしまう訳です。先程の「痘痕」とかです。変態には、それが「天使の笑窪」に見えるのです。

そんな、病的に訳わからない人を、巷では「エンスー」等と呼んだりしている様ですが、そんなにオシャレな物ではないと密かに考えています。
そこで、そんな人達を総称する名詞を考えてみました。

命名! 「車痘痕フェチ」

おぉ! これです、これ! 「フェチ」の部分に屈折したエッチな響きがあって良いですぅ。

……(沈黙)

こんなアホな事を、真面目に考えている自分に、自己嫌悪……
 


 
 
 
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