Owner's words

AZ−1はこうでなくっちゃいけません(Part1)

 

 

 
 
ノーマルのAZ−1って、車としてはかなり荒削りだと思います。 

走りとしての基本性能は良い物を持ってるんですが、ツメが甘い感じがするのは私だけでは無いはずです。 

例えば、今にも横転しそうなフニャフニャサス、そのくせ、クイックなステアリング。 
例えば、完全にパワーに負けてるクラッチとタイヤ。 
例えば、すぐにロックするフィールが最悪のフニャフニャブレーキ。 

いけません! こんなんじゃ! 私は、こと車に関しては、「改造して速くしよう」なんて気持ちがサラサラ無い人間なのですが、「これだけ基本性能が良いのに、こんなにダラシナイ車」には、さすがに「良くしてみようかな?」という気持ちがわいてきます。 

私がAZ−1をチューニングする際に気をつけている事は、「この車が持つ基本性能の良さを忠実に伸ばす」事です。ですから、「邪道な改造」は御法度です。 
では、AZ−1の良さとは何でしょう? 

私は、「ミッドシップ・レイアウト」と「クイック・ステアリング」による、コーナリングの基本性能が良い事。そして、「ターボ・エンジン」による加速の良さだと感じています。 
ですから、チューニングは、「コーナリング性能を上げる」事と、「効率よくエンジンパワーを路面に伝達する」事の2つのテーマで行います。あと、「速くした分、確実に止まる」事を考慮します。 

つまり、ちゃんと、走って、曲がって、止まる車にしたいだけなんです。 
AZ−1は、大部分の国産車の様に、「走るけど、曲がらないし止まらない車」です。とりあえず、ノーマルのエンジンパワーに見合った、トラクション性能、コーナリング性能とブレーキ性能を持たせる事に全力を注ぎます。 

この3つの性能ですが、これらを簡単に向上させる方法の一つに、幅広のハイグリップタイヤを装着させる方法があります。 
しかし、私は、これを一番最後にする事にしました。「タイヤは可能な限り細い方が良い」というのが私の持論だからです。私はこれをメルセデスから学びました。 
まず、タイヤ以外の性能を可能な限り向上させて、どうしても足りない部分をタイヤで補う事にします。 
 


 
コーナリング性能を語る時、AZ−1オーナーの多くが「リアの硬性不足」を不満にあげます。 

確かに、ハードコーナリングではフニャっとした乗り心地で、なんだか頼りない感じです。それを改善する為に、リアにタワーバーを装着するオーナーがほとんどです。 

これについて、私の考えは少し違います。リアのフレーム硬性は確かに物足りませんが、このフニャフニャ感は、主に65偏平タイヤの硬性不足から来る物だと感じています。 
何故なら、補修後でツギハギだらけのヘアピンを、フルスロットルで加速する際に感じる、「リアが左右に踊る感じ」からも分かる様に、それはフレームの硬性不足では、あまり起こらないフィールだからです。 
「タイヤの硬性不足、プラス、フニャフニャのサスが、そう感じさせる要因」というのが私の見解です。これを取り除いてやれば、ミッドシップ・カーらしいコーナリング・フィールに近づくはずです。多分……(ちょっと、弱気) 

それでは、どの様なコーナリング・フィールが良いのでしょう? 
もちろんこれは個人の好みの問題ですが、AZ−1でドリドリしながら走りたいという人は少ないでしょう。そういう人はカプチーノを購入すべきです。 

私の好みは、「リアの張り出し感がある事」です。F1をドリドリさせるパイロットがいない様に、ミッドシップはグリップ走法がセオリーです。ただし、フロントタイヤに依存してコーナリングするのではなく、ノーズが切れ込むのを助ける様に適度にリアが張り出す感じが好きです。 

そこで、素人ながらに考えた結果が、「リアのダンパーをきかせる」事と「LSDの装着」です。 
ダンパーはリア側だけ交換すると、前後バランスが崩れそうなので、前後とも交換し、前と後ろの硬さをそれぞれ変えれる物が良いと思います。 
LSDは、メルセデスでその効果を実感していた為、是非、装着したかったパーツです。リアの張り出し感は勿論、コーナリング中のアクセルオンでも車を前へ進めてくれます。 

私のAZ−1には、GABダンパー(4段調整)、強化コイル(多分)、LSDを装着しています。実は、2台目の(今の)AZ−1を購入したら、偶然にも付いていました! というのが本当の所です。ですから、困った事に、コイルとLSDのメーカーが分かりません。 

それで、1台目のノーマルAZ−1と比較してのフィールですが、「かなり良い!」です。 
リアの硬性不足ですが、タワーバー装着の必要性をとりあえず感じないぐらい、カッチリした感じです。 
もっとも、タイヤはノーマルのままですから、「フルスロットル時の踊り」は根本的に改善されてはいませんが、「まぁ、ノーマルに比べれば少しはマシかな?」ぐらいにはなっています。 

ダンパーの設定は、コイルが硬めなので、前:3、後:4にしています。 
ダンパーのせいかLSDのせいかは判断がつきませんが、「リアの張り出し感」がちゃんとあって、コーナリング途中でアクセルを踏んでも、ノーマルの時の様な大アンダーステアに四苦八苦する事も無くなりました。車も確実に前へ進みます。 

実は、ダンパーの設定は、前:2、後:4の時が、「リアの張り出し感」のバランスが素晴らしく良い(私の好みな)のですが、コーナリング途中でギャップを拾うと、フロントが踊る感じがするので、前:3で乗っています。ひょっとしたらコイルはノーマルでも良いかもしれません(とは書いたものの、多分、軟らかすぎるだろうなぁ……)。 

あと、こんなにお金をかけなくても、リアのトーションバーを太くしてみる(パーツがあるかどうかは未確認です)のも、お手軽で良いかもしれませんね(これは適当に言ってます)。 

ま、曲がる為の性能については、これで、充分、許せる範囲です。満足してます。 
タワーバーは、ハイグリップタイヤを装着した時に、どうしてもダメなら考える事にします…… 
 

(Part2へ続く……)
 

 
 
 
(C) 2000 Studio892. All rights reserved.
戻る