Owner's words

曲がるメルセデス
 
 

 

 

 
 
前から不思議なんですね。「この車って、どうしてこんなに曲がるんだろう?」って思うんです。

ホイールベースが3mぐらいの長いロングボディのくせして、びっくりするぐらい小回りが利くんですね。
きっと理由があるはずなんですが、私にはよく解りません。

前輪にキツクついたネガティブ・キャンバーのせいでしょうか? ハンドルを一杯に切った状態だと、内側の前輪はとんでもなく傾いて曲がっています。
極端に小さいフロント・オーバーハングのせいもあり、取り廻しが凄くラクです。

曲がるのは、何も低速の時だけではありません。
結構下品なスピードでも、大きなアンダーステアを感じる事が無いんですね。

普通だと、フロントのグリップが抜けて、真っ直ぐガードレールに突き刺さる様なシチュエーションでも、「あっ! マズイ……」と感じた瞬間、グワっと曲がっていきます。

フロントのグリップが抜ける前に、リアのグリップの方が先に抜けてくれるんですね。
しかも、一気に抜けるのではなく、ジワっと素早くくるんです。この感じは、実際に経験した人でないと解らないかもしれません。

ま、ドライバーはメルセデスを信じて、ハンドルを切れば良いわけです。あとは、メルセデスが何とかしてくれます。

メルセデスは、こんな芸当を電子制御に頼らずこなしてしまうんですね。サスジオメトリーが良いのでしょうか?

こんなに良いジオメトリーなら、日本のメーカーがすぐにでも真似をしそうなものですが、とあるお人のお話によると、
「日本のメーカーが真似したくても絶対に真似できないジオメトリー。だって、タイヤが編磨耗するから……」
だそうです。

確かに、タイヤローテーションをサボると、前輪の編磨耗は凄まじい物があります。私のだけかな? と思ったら、他のメルセデス全てで言える様です。

「コーナリング・スタビリティ」か「タイヤの編磨耗(をさせない)」のどちらかを選択しなければならない時、メルセデスは迷わず「スタビリティ」を選択し、その他のメーカーは選択できなかっただけなんですが、こんな所からも、メーカーのスピリットが伺えるエピソードだと思います。(でも、編磨耗しないにこした事はない…… ユーザーの身勝手!?)
 


 
 
 
(C) 2000 Studio892. All rights reserved.
戻る