運転も傲慢になりがちで、そんな行為を目の当たりにすると、メルセデスオーナーの私は、悲しくなってしまいます。
『メルセデス』を『ベンツ』と呼ばれる方に多い様ですが、私個人の意見としては、
「早くメルセデスをお売りになって、セルシオあたりをご購入頂きたい」
というのが本音です。
メルセデスの評価が、そんなくだらない事で下がるのは、『メルセデス地位向上委員会』の一員である私には、とても悲しい事です。

メルセデスの嫌いな、ある自動車評論家が、ある本でこう書いていました。
「メルセデスは、カムリかなんかを買ったつもりで運転して欲しい……」
その評論家の方を私はあまり好きではありませんが、この言葉には共感が持てます。さすがは、日本を代表する自動車評論家です。

この境地は、『心構え編』でも書いた、本当のメルセデス・ファンなら、誰もが持っている魂のはずです。
彼らは、奢らず、目立たず、たとえ偏見を持って見られようと、車社会の単なる一員として、他と共存しています。 

メルセデスは特別な車ではありません。メルセデスが良しとする開発思想で生産された、ごく普通の車なのです。
その開発思想に「運転を傲慢にさせる」という項目は無いはずです。
ですから、メルセデスを運転する事で、突然、偉くなったりする事はありませんし、ましてや、割込みの免罪符を手に入れれる訳でもありません。
運転がそうなってしまう人がいるのは、乗り手側の問題で、メルセデスを誤って認識した一部の不幸な方か、もしくは、車に関係無く、そういう運転をされる方です。 

メルセデスに興味がおありで、今後、購入をご検討されておられる方へのお願いです。
傲慢な運転に憧れておられるのなら、相応しい車が他に沢山あります。そちらの方をご購入ください。お願いします。

メルセデス・ファンなら、幅員の狭い道で軽自動車と離合する場合でも、こんな知性の無い発言を決してしないでください。
「どけぇや、わしゃぁベンツどぉ！　なんぼ、銭ぃ払うとる思うとるんやぁ！」（訳：道を譲れ、このベンツマークが目に入らぬか？　貴様のより俺の車の方が高価なんだから、俺の方が偉いんだ！　だから、道を譲れ！）
おマヌケな実話です。『ベンツ』の部分を『クラウン』とか他の高価な車に置換えても、ありがちな話です。
高価な車が偉いのなら、メルセデスでなく、頂点のベントレーへお乗りなさい…… 

それと、もう少しだけ、耳をお貸しください。
環境問題は、メルセデスだけでなく、自動車工業界全体の問題ともいえます。車に乗らない事が一番なのですが、車の便利さを知ってしまった我々には無理な話です。
メルセデスを日常の足として使用するのであれば、なるべく排気量の少ないモデルを選択して欲しいのです。
大排気量モデルを所有したいのであれば、日常の足用として排気量の少ない車を別途所有して頂きたいです。
このお願いに、「何故？　私が……！？」と、思われる様であれば、おそらく、メルセデス･ファンにはなれないと思います……
先にも申し上げた（私の意見）通り、メルセデスよりも、セルシオかベントレーを購入頂きたい。その方が、きっと満足される事でしょう……